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「根無し草」戴飴霏個展

"Rootless Grass" solo exhibition
gallery TOWED とうきょう曳舟

2021/12/10[Fri.]〜12/19[Sun.] 

Project: 專案

展覧名の「根無し草」とは、自分自身の経験と、私にとっての観察対象である「人間」から、とても共感しているキーワードです。辞書を調べると、”根が地中におりていない草、また、比喩的に、浮動して定まらない物・事”とあります。現代社会には、根無し草と同じように定まらない要素が見えてきます。

例えば、自分の家を持っていない都会の住民、転職の多い若者とか、SNSの影響による流行り廃りなど。常に安定せず、根無し草のように漂っています。そしてそれは、ネガティブな意味でとらえることが多いようです。

ところが、違う視点から「根無し草」を見ると、特定の場所でずっと生きていなくても、点々と移動しながらその場になじんでいく柔軟な生き方だと言えます。不安定なように見えて、実は個をしっかり持っているかもしれません。大木にはなれずとも、行き着く先々で色々な景色が見れる​ことも。

私自身、小学校から6年間隣町に通学をし、高校からは地元を出て台北で一人暮らしを始めました。今は台湾から離れ、日本に辿り着きました。これからまたどこかへ行くだろう。世の中の風に耐えうるような根は持たず、いろいろな所に流されながら柔軟に、変化に怯えず、自分の表現をあきらめない根無し草。そうありたいと思う。

この展覧会の作品は、東京で見かけた根無し草のような人々を観察したことによる記録です。リトグラフとドローイングを出品いたします。

Project: 文字
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